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KAJI FACTORY PARK

カラフルな糸

繊維の街・石川県かほく市に誕生した「見せる」工場

2025年4月、石川県かほく市にオープンしたばかりの「KAJI FACTORY PARK(カジ ファクトリー パーク)」は、これまでの工場見学の常識を覆すような画期的な施設です。運営するのは、合成繊維の分野で世界的なシェアを持つカジグループ。彼らが繊維産業の新しい形を提案するために作ったこの施設は、単なる製造拠点ではありません。広大な敷地内には、製造ラインを見学できる工場エリアだけでなく、こだわりのカフェレストラン、セレクトショップ、そして子供たちが遊べる遊具を備えた公園までもが一体となっています。

到着してまず驚くのは、開放的な外観です。工場と聞いてイメージする無機質な閉鎖感は一切なく、ガラス張りのスタイリッシュな建物と、丁寧に手入れされた植栽が、まるで美術館やリゾート施設のような雰囲気を醸し出しています。エントランス付近には、スペインから運ばれたという樹齢1000年を超えるオリーブの大木がシンボルツリーとして鎮座しており、訪れる人々を温かく出迎えてくれます。産業観光をテーマに掲げている通り、マニアだけでなく、家族連れやカップルが休日のデートコースとして気軽に立ち寄れる、まったく新しいタイプの工場見学スポットといえるでしょう。

世界的ブランドが認める技術

施設のメインとなる工場見学エリア「FACTORY TOUR」は、個人で立ち寄る場合、事前予約不要・無料で見学できます。2階に設けられた見学通路からは、ガラス越しに1階の広大な製造フロアを一望することが可能です。そこに整然と並んでいるのは、最新鋭のウォータージェット織機などをはじめとする100台以上の機械たち。これらが一斉に稼働し、目にも留まらぬ速さで横糸を通していく様子は圧巻で、工場ならではの轟音とともに、日本のものづくりのエネルギーを全身で感じることができます。通路の各所には、製造工程を解説するパネルや、実際に触れることができる生地のサンプル展示も充実しており、予備知識がなくても楽しめる工夫が凝らされています。

ここで作られているのは、髪の毛よりも細い糸を使った超軽量の合成繊維です。カジナイロンが誇る糸加工技術によって生み出される生地は、薄くて軽いのに驚くほど丈夫。スマートフォンよりも軽い旅行グッズや、ストレッチ性の高いセットアップスーツなど、身近な製品に使われている技術のルーツを目の当たりにできるのは、この場所ならではの貴重な体験です。運が良ければ、現場で働くスタッフの方々が真剣な眼差しで品質チェックを行っている姿も見られ、世界品質を支えるプロフェッショナルの仕事ぶりに胸が熱くなることでしょう。

見学後はカフェでひと休み&ワークショップで思い出作り

工場の熱気を体感した後は、併設されているカフェレストラン「79 KITCHEN(ナインセブン キッチン)」で一息つくのがおすすめです。地元の食材をふんだんに使ったランチやスイーツを楽しむことができるため、カフェを目当てに訪れる方がいるほどのクオリティを誇ります。大きな窓から外のガーデンを眺めながらいただくコーヒーは格別で、工場の中にいることを忘れてしまうほどリラックスした時間を過ごせます。ショップエリアでは、カジグループの自社ブランド「TO&FRO(トゥーアンドフロー)」や「K-3B(ケースリービー)」の旗艦店が入っており、ここでしか買えない限定アイテムや、機能性とデザイン性を兼ね備えたアパレル商品を実際に手に取って購入できます。

さらに、この施設をより深く楽しみたい方には、随時開催されているワークショップへの参加もイチオシです。実際に工場で作られた生地の端材を使って、オリジナルのサコッシュやTシャツ、小物などを作る体験メニューが用意されています。ミシンを使ったり、プリントを施したりと、自分の手でものづくりを行うことで、先ほど見学した繊維への愛着がより一層湧いてくるでしょう。KAJI FACTORY PARKは、見るだけでなく、食べる、買う、作る、そして遊ぶという多彩な要素が詰まっており、繊維産業の未来を明るく照らす、希望に満ちたテーマパークなのです。